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高齢受給者証や限度額適用認定証等について「性別の記載」欄が削除されました

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令和4年3月31日に、医療機関等の窓口で被保険者証に添えて提出する高齢受給者証や限度額適用認定証等について「性別の記載」欄を削除する通達が発出され、同日から施行されました。
受給者証・認定証等の「性別の記載」欄の削除の主なポイントを解説します。

受給者証や認定証等の性別の記載欄が削除された経緯

この度の「性別の記載」欄の削除は、国において平成26年から導入された地方分権改革に関する「提案募集方式」により、地方自治体からの提案に基づき実施されたものです。

提案自治体は、次のとおり支障事例を挙げ、受給者証・認定証等は、性別が記載されている被保険者証に添えて医療機関等の窓口に提出する書類であり、被保険者証により性別確認は可能で受給者証・認定証等の「性別の記載」欄は不要と提案し、実施に至りました。
新規発行分のみ記載がなくなり、交換もすぐに行う必要はありません。

支障事例:『「LGBTQ」などの性的少数者の方にとって、自認する性別と一致しない性別を様式上選択することや戸籍上の性別と見た目が異なるために厳格な本人確認をされることは強い心理的負担となっており、行政手続き自体をためらうことにも繋がっている』

LGBTQとは、レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれた時の性別と自認する性別が一致しない人)、クエスチョニング(自分自身のセクシュアリティを決められない、分からない、または決めない人)など、性的少数者の方を表す総称のひとつです。 

参照:埼玉県ホームページ「https://www.pref.saitama.lg.jp/a0303/lgbt-pamphlet.html」

国の検討結果・対応方針

この提案に対して、国は次のとおり検討を行い、受給者証・認定証等の「性別の記載」欄について削除する省令改正等の作業を進めることとしました。

国の検討結果:『受給者証・認定証等は、保険医療機関等の窓口において被保険者証に添えて提出しなければならないとされており、被保険者の性別については、被保険者証の記載内容をもって確認することができる。また、受給者証・認定証等を提示した者が被保険者であることの確認は、性別欄以外の被保険者記号・番号、氏名、生年月日を被保険者証と照合することで可能である』

改正内容/性別欄を削除する様式等

令和4年3月31日施行

参考/被保険者証の性別表記等

【参考】

 〇令和3年の地方からの提案等に関する対応方針(令和3年12月21日閣議決定)

 〇令和3年地法分権改革に関する提案募集 提案事項/厚生労働省 最終的な調査結果

 〇健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(令和4年3月31日厚生労働省令第56号)

【被保険者証の性別表記】

被保険者証の性別表記について(平成24年9月21日厚生労働省事務連絡)

  1. 被保険者証に性別を記載する必要性について
    被保険者証の男女の性別欄については、性別に由来する特有の疾患や診療行為があることら、保険医療機関等にて行われる診療等に資するものであるとともに、当該診療等に係るレセプトの審査を円滑に行うために必要であるという観点から設けており、戸籍上の性別が用いられている。
  2. 被保険者証における性別の表記方法の見直しについて
    被保険者から被保険者証の表面に戸籍上の性別を記載してほしくない旨の申し出があり、やむを得ない理由があると保険者が判断した場合は、裏面を含む被保険者証全体として、戸籍上の性別が保険医療機関等で容易に確認できるよう配慮すれば、保険者の判断によって、被保険者証における性別の表記方法を工夫しても差し支えない。
    例えば、被保険者証の表面の性別欄は「裏面参照」と記載し、裏面の備考欄に「戸籍上の性別は男(又は女)」と記載すること等が考えられる。

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