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2022年10月から負担増になる医療費「特別の料金」について

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国の医療制度見直しにより、令和4年10月1日から、紹介状を持たずに外来受診をする場合の「特別の料金」が引き上げられます。

今回は、引上げ対象となる医療機関やその理由などを解説します。

引き上げとなる「特別の料金」とは

「特別の料金」とは、大病院の初診、再診時に支払うべき料金のことです。

対象となる場合に、保険診療であっても一部負担金(3割負担等)とは別に徴収されます。

今までは、特定機能病院と200床以上の許可病床を有する地域医療支援病院に義務化されていましたが、令和4年10月1日からはさらに対象病院が拡大されるとともに、「特別の料金」の額が引き上げられます。

どういうときに特別の料金は徴収される?

かかりつけの医師から紹介状を持たずに、総合病院、国立病院や大学病などを外来受診した場合や、症状が落ち着き地域の診療所や病院の受診をするよう指示されたにもかかわらず、患者が引き続き総合病院、国立病院等を受診し続ける場合に特別の料金が徴収されます。

特別の料金の対象となる病院とは

医療施設は「機能分化」という考え方により、機能や役割を体系化されています。

今回引き上げの対象となるのは、「特定機能病院」「200床以上の地域医療支援病院」「200床以上の紹介受診重点医療機関」の3つです。
「特定機能病院」は、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発および研修を実施する能力を備えた病院で、国立病院や大学病院などが該当し、令和3年4月時点で全国87病院あります。
「地域医療支援病院」は、救急医療の提供が可能であり、地域の医療従事者に対する研修を実施したり、医療機器の共同利用を行ったりすることで地域医療の確保を図ることができると認められた医療機関です。

「紹介受診重点医療機関」とは、2022年4月に新たに制定されたもので、外来機能の明確化・連携を強化し、患者の流れの円滑化を図るために都道府県ごとに決定される医療機関です。

実際の医療機関の公表は2023年3月頃を予定されており、人口減少や高齢化等が進む中、かかりつけ医機能の強化とともに、抗がん剤治療や放射線療法、紹介患者に対する外来などといった「医療資源を重点的に活用する外来」などを地域で基幹的に担う200床以上の医療機関を選定する予定です。

特別の料金の必要性

前述したとおり、医療施設はその機能によって役割を分担されています。
このような大病院に外来患者が集中し、本当にその高度な技術の医療を必要とする患者が十分な療養をうけることが出来ないという事にならないよう、適正な医療が適正な医療機関でうけられる体制を目指して、一部負担金とは別に「特別の料金」の支払いが設けられています。

紹介受診重点機関については、2023年3月以降に情報公開されます。そのため「特別の料金」の対象となる医療機関も増え、ますます医療費の負担が増えることが予想され、注視する必要があります。

日本では、高齢化がさらに進み医療サービスは質・量ともにさらに増大することが予想されます。

限られた医療人材・設備・予算でそれらに対応していくためには、医療機関ごとの機能・役割をこれまで以上に明確にし、特徴を生かせるようにしていくことが必要となります。

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