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12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です

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12月になり、今年も残すところ1か月となりました。
12月と言えば忘年会!これまでコロナ禍で自粛していた忘年会を開催しようと計画している会社があるかもしれません。プライベートではクリスマスを楽しみにしている従業員もいらっしゃるかもしれませんね。
また、12月は師走とも表現され、「師が走るほど忙しい月」という意味からも、業務繁忙期を迎える会社が多いのではないでしょうか。
仕事とイベントが重なる慌ただしい月だからこそ、起こりうる様々な「ハラスメント」には注意をしなければなりません。
そこで今回は、いま一度ハラスメントとは何か、ハラスメントのない職場環境について一緒に考えてみましょう。

飲み会も職場

職場とは、事業主が雇用する従業員が業務を遂行する場所のことを指しますが、通常就業している場所以外であっても、業務を遂行する場所であれば「職場」と見なされます。(取引先、接待で訪れた飲食店等)
就業後の飲み会であっても、実質的に職場の延長線上での集まりであれば、職場と見なされることもあります。職場かどうかの判断基準は、職務との関連性や参加が任意だったかなどを考慮します。

飲み会が職場と見なされるケースがありますので、特に気を付けなければいけないことを具体的に挙げてみます。

飲み会でのハラスメント

アルコールハラスメント

お酒は無理やり飲ませると急性アルコール中毒になる危険性があります。どんな理由であっても無理やりお酒を飲ませるのはやめましょう。

セクシャルハラスメント

飲み会の席では職場よりも互いの距離が近くなりますが、故意に肩や足など体に触るのは男女関係なくセクハラに該当します。
食事やデートに執拗に誘ったり、性的な事実関係を尋ねることなども相応しくありません。
男性同士、女性同士でも同様です。

次に職場で起こり得るハラスメントを挙げてみましょう。

職場でのハラスメント

パワーハラスメント

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の正当な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為を言います。
例えば、

  • 蹴られたり殴られたりした
  • 皆の前で、些細なミスを大声で叱責された
  • 根拠のないうわさを流され会話してくれない
  • 一人ではできない量の仕事を押し付けられる

といったようなものが該当します。

パワーハラスメントには一般的に6つのパターンがあるとされています。
こちらも参考にして職場でパワーハラスメントが発生していないか確認してみましょう。
<参考:労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されます!

妊娠・出産等ハラスメント(マタニティハラスメント)

職場において行われる上司・同僚からの言動により、妊娠・出産した女性労働者や育児休業等を申し出・取得した男女労働者等の就業環境が害されることを言います。
例えば、

  • 上司に妊娠を報告したところ、「次回の契約更新はないと思え」と言われた。
  • 育児休業の取得について上司に相談したら、「男のくせに育児休業を取るなんてあり得ない」と言われた。

このように妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いは禁止です。

いかがですか。ドキッとした方も、ホッとした方も、いるのではないでしょうか。
なお、ここまで紹介したハラスメントは1部であり、その数35種類以上とも言われています。

ところで、なぜハラスメントは起こるのでしょう。風通しのよいコミュニケーションが不足している、様々な価値観・感じ方・能力をもった職員が存在している、本人のハラスメントに対する自覚が欠如している、などが考えられます。

一方、同じ行為でもハラスメントだと言われる人と言われない人がいること、ハラスメントと言われないためには当人同士の人間関係が良好に構築されていることを知り、上位の管理職が職場の人間関係の構築に注力することで、ハラスメントの起きない職場を目指すことができるのではないでしょうか。

確かに、気を遣い配慮することも大切ですが、それだけでは疲れてしまい本音をぶつけ合うことができなくなってしまうかもしれません。そんな職場に働き甲斐を感じるでしょうか。
繰り返しになりますが、ハラスメントの根幹は相互理解と人間関係の構築だと思います。

多くの方は、1日の約3分の1を職場で過ごされていると思います。誰もが今よりも少しでも気持ちよく働くことができるよう、みなさんで改めてハラスメントについて考えてみることもいいかもしれませんね。

最後に、厚生労働省では12月を「職場のハラスメント撲滅月間」と定め、ハラスメントのない職場づくりを推進しています。
2022年12月7日(水)13:30~15:00(予定)には、厚生労働省主催の対策シンポジウムをオンラインで開催する予定です。
<参考:厚生労働省『12月は「職場のハラスメント撲滅月間」です』

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