ニュース

全日本トラック協会「時間外労働が年960時間を超えるドライバーは27.1%」

ニュース

2024年4月から、トラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用されます。これがいわゆる2024年問題です。

この問題にどう対応するかは、トラック業界全体にとって大きな課題です。物流企業や荷主、そしてドライバー自身の収入や働き方にも影響が出る可能性があります。

そこで今回は、全日本トラック協会が発表した最新の調査結果とアクションプランについて紹介します。

全日本トラック協会が発表した調査結果

全日本トラック協会は2022年1月に実施した「第4回働き方改革モニタリング調査」の結果を公表しました。

この調査は、会員企業727事業者を対象に行われたもので、ドライバーの時間外労働時間や年次有給休暇の取得状況などを把握することを目的としています。

調査結果によると、「時間外労働時間(法定休日労働を含まない)が年960時間を超えるドライバーがいる」と答えた事業者は27.1%でした。前回調査(2020年10月)の28.0%からわずかに減少しましたが、まだ高い水準です。

一方、「時間外労働時間が年720時間を超える一般労働者がいる」と回答した事業者は13.8%でした。これはドライバーと比べて半分以下です。

また、「年休取得日数が5日に満たない労働者はいない」と答えた事業者は82.4%でした。これは前回調査の79.6%から増加しており、年次有給休暇の取得環境が改善されていることがわかります。

全日本トラック協会によるアクションプラン

同協会は、2018年3月に「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」を策定しています。

このアクションプランでは、2024年問題への対応策としてドライバーの時間外労働時間が「年960時間超」となるトラック運送事業者の割合を、2024年に「0%」とする目標を掲げており、目標実現に向けてトラック運送事業者の働き方改革の進捗をモニタリングしています。

2024年4月には、トラックドライバーの時間外労働を「年960時間以内(休日労働は含まず)」とする上限規制が適用開始されます。この上限規制への対応は「2024年問題」と呼ばれ、トラック業界全体で大きな課題となっています。

時間外労働の削減には、倉庫内作業の自動化や業務の標準化、そして人材確保のための労働環境整備が欠かせません。

2年後に慌てることのないよう、2024年問題の解消に今から取り組むことが必要です。

2024年問題とは働き方改革関連法によって生じる諸問題

2024年問題とは、働き方改革関連法によって、2024年4月1日以降、「自動車運転の業務」等に対して、年間の時間外労働時間の上限が960時間に制限されることで発生する諸問題です。

働き方改革関連法では、時間外労働の上限は原則として月45時間、年360時間に制限されます。しかし、自動車運転業務等、一定の業種に対しては、時間外労働の上限規制適用が、5年間、2024年まで猶予されました。

そのため、トラックドライバーに対しては、2024年3月31日までは時間外労働の上限規制はなしが、2024年4月1日以降は、三六協定の締結を条件とし、上限960時間という、厳しい規制が施行されます。

この規制によって、物流企業や荷主、そしてドライバー自身の収入や働き方にも影響が出る可能性があります。

まとめ

全日本トラック協会が発表した調査結果によると、時間外労働時間が年960時間を超えるドライバーは27.1%と、依然として高い水準であることがわかりました。

全日本トラック協会はアクションプランにおいて、2024年問題へ対応するため、ドライバーの時間外労働時間が「年960時間超」となるトラック運送事業者の割合を、2024年に「0%」とする目標を掲げています。

時間外労働を削減するためには、労働環境の整備や最新機器の導入など時間や工数が必要になるため、早めの対応が必要になります。

PAGE TOP