人材育成の今後の動向はどうなる?DX化とリスキリングについて解説

その他

一般社団法人日本経済団体連合会は定例記者会見(令和4年12月5日)にて、岸田内閣への期待として安定的な政権運営による政策の継続を求めました。
また、連合の春季生活闘争方針(12月1日)とものづくり産業労働組合の春季労使交渉方針案(12月5日報道)を受け、「物価上昇に負けない賃金引き上げは経営側の責務であり、賃金と物価の好循環が実現するよう会員企業に賃金引上げを呼びかけることにより中小企業にまで賃金引き上げの流れ広げる必要がある」と述べました。
※一般社団法人 日本経済団体連合会 定例記者会見における十倉会長発言要旨より抜粋

それに先立って岸田総理大臣は賃上げにより、高いスキルを持った人材を雇用することで企業の生産性を向上させ、よりよい人材確保を目指しさらに賃上げや人材教育を行うという循環を作りだすため「構造的な賃上げ」ついての所信表明を行いました。
特に人への投資として個人のリスキリングに対する公的支援の充実や同一労働同一賃金の遵守などについて言及しました。

今回は、今後の人材育成において求められる業務のDX化、それに伴うリスキリングについて、分かりやすく解説していきます。

リスキリングとは?

リスキリングとは、業務において新たな専門知識・スキル・技能が必要になったときに備えて勉強することを指します。

なぜリスキリングが求められるのか

DX化の推進やAIの発達により人力で行っていた作業が削減され、その分新しい業務やより生産性の高い業務に取り組むことが求められます。
それに伴い最先端の知識やスキルを身に付けるためのリスキリングの重要性が高まっていると言えます。
また、コロナの影響によりリモートワークやweb会議など、今までとは全く違う労働環境が広まったこともリスキリングが求められるようになった1つの要因と言えます。

リスキリングは特定の職に就く人や一定の従業員に限られた話ではなく、あくまで働いている人すべての人が対象と考えられています。
DX化は特定の分野や業務のみで推し進められている事ではなく、社会全体で進められています。
そのため、業務を行う従業員だけでなく、管理者もリスキリングを行い、共通認識を持って新しい業務に対応する必要があります。

コロナ禍における企業の人材育成への取り組み

東京商工会議所が令和4年8月に行った、研修・教育訓練、人材育成に関するアンケートによると、「社員に対する研修・教育訓練の重要性に対する考え」について、99.2%の企業が「重要」と回答しているのに対し、「社員の研修・教育訓練に係る対象者一人当たりの予算について、今後2~3年程度を見据えてどのようにしていきたいか」については、対象者一人当たりの予算を「増やしたい」と考えている企業は約半数(48.2%)にとどまる結果となっていました。

しかし、今後2~3年程度を見据えて強化していきたい内容・テーマに関しては「業務のデジタル化(DX化、43.4%)」や「業務効率化、生産性向上(37.6%)を挙げる企業がいずれも4割程度であることから、「新規事業開発、マーケティング(21.2%)」等も含めて、企業は業務改善や事業変革に関するテーマの研修・教育訓練を強化していく意向があることがうかがえます。

 これらのことから、企業側も人材育成がこれまで同様重要なものとしてとらえており、研修テーマについても政府が掲げるリスキリングの方針と一致していることが分かります。
ただ、企業独自に教育予算を増やす方針とする企業は少なく、助成金等国の支援制度をうまく活用していく必要があります。
※東京商工会議所「研修・教育訓練、人材育成に関するアンケートの集計結果について」参照

公的な支援制度

世界的にDX化が進められている中で国としてもリスキリングの支援を行うため、経済産業省や厚生労働省で様々な支援制度が進められています。
所信表明演説内でも、個人のリスキリングに対する支援に「五年間で一兆円」を拡充すると発表しました。
人材開発支援助成金など、従業員のスキルアップなどを支援する助成金はこれまでも活用されていましたが、令和4年より事業展開等リスキリングコースの創設や1事業所が1年度に受給できる助成額の引き上げ等が行われており今後さらに注目度が高まる可能性があると言えます。

※Ⅱ.成⻑と分配の好循環に向けた「⼈への投資」
 ⼈への投資パッケージ、円滑な労働移動の推進等 部分抜粋

まとめ

DX化が進むにつれて、現在私たちが行っている業務が無くなったり新しい業務が生まれたりと様々な変化が訪れます。
昨今では人材の流動性が高まっており、十分な人材教育やエンゲージメント対応が不足すると、リスキリングを行った人材が流出してしまう恐れがあります。
それを防ぐためにも公的な支援制度を利用して人材教育などに注力していくことが求められます。
今後の動向にぜひご注目ください。

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