2023年2月、民事訴訟法等の改正にともない、労働審判手続きについても、申立人の住所や氏名の秘匿制度が導入されることになりました。
これまで、訴訟を提起するためには、訴状に申立人の住所や氏名などを記載しなければならず、加害者等に自分の名前を知られることをおそれて、訴えを躊躇するケースがあることが指摘されていました。秘匿制度の導入後は、申立人やその法定代理人に「社会生活を営むのに著しい支障を生ずるおそれがある」と認められる場合、その住所や氏名等の情報が秘匿されることになります。
秘匿制度が労働審判手続きにも導入されたことで、今後は労働審判の利用件数が増加することが考えられます。
労働審判が起こされると、会社側は対応するための時間や費用が必要になる他、企業イメージの悪化や社内モラルの低下等の危険性があります。会社が従業員から労働審判を起こされないためには、その前段階であるADR(裁判外紛争解決手続)で真摯に対応することや、そもそも従業員に不平不満が起きない社内ルールを整備することが重要です。
もし、社内の適切な労務管理について、ご質問やご相談のある方はぜひ、SATO社会保険労務士法人までご相談ください。
出典:法務省「住所、氏名等の秘匿制度の創設」https://www.moj.go.jp/content/001386878.pdf