Q&A

外国人技能実習生の寮費を日本人と異なる設定にすることは違法ですか?

Q&A

社労士への労務相談
当社は、深刻な人材不足のため、来年から外国人技能実習生を採用しようか検討しています。

社員寮に空き部屋があるので、そこに住んでもらおうと思っているのですが、日本人従業員と寮費に差を設けることは違法でしょうか?

社労士の回答・解説
違法になる可能性があります。

労働基準法3条では、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。」と、労働条件に関する均等待遇原則を定めています。

そのため、外国人技能実習生について、外国人であることを理由として日本人従業員との間に寮費の格差を設けることは、労基法3条違反として無効になる可能性があります。

裁判例の中にも、同様の事例について、労基法13条違反にあたり差額部分は無効と判断したものがあります。(東京地判平成24・4・20 労働判例ジャーナル6号22頁)

労基法3条の国籍とは

労基法3条では、国籍による労働条件の差別的取り扱いを禁止しています。

ここでいう差別とは、国民としての資格のことをいい、日本では国籍法によってその要件が定められています。

これに対して「人種」は生物学的な種別のことをいいますので、国籍とは異なりますが、人種を理由とした差別についても、労基法3条によって禁止されていると考えられています。

また、この規定は適法な在留資格を持っていない不法就労中の外国人にも適用される点に注意しましょう。

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