今年も確定申告の時期がやってきました。
3月中に申告・納税を済ませなければなりませんね。
煩雑なイメージのあった確定申告書作成ですが、国税庁の電子申告・納税システム(e-Tax)やマイナンバーを活用できるようになっています。
このおかげで、必要添付書類の省略や控除証明書の一括データ取得・自動入力などが可能になり、以前に比べ、簡単に申告書を作成できるようになりました。
ただ、こちらのシステムを利用するにはマイナンバーと保険証の紐づけやマイナポータル連携が必要になります。
今回は保険証との紐づけやマイナポータル連携がお済でない方でも医療費控除申告の際に活用できる、全国健康保険協会(以下「協会けんぽ」という)の情報提供サービスをご紹介します。
確定申告とは
そもそも確定申告とは、前年分の所得に応じた納税額(所得税)を計算し、納付することを指します。
勤務している1つの会社以外に所得がない会社員は「年末調整」という精算方法を取りますので、申告が必要な所得控除を受けない場合は確定申告の必要はありません。
個人事業主や副業している会社員等で、要件に当てはまる方が必要となる申告です。
医療費控除とは
医療費控除とは、およそ15種類ある所得控除のうちの一つです。
前年に支払った医療費のうち一定額を超える部分(会社員の方であれば、保険金などで補填された額を差し引いた医療費の10万円を超える部分※総所得200万円以下の場合は10万円を超える部分ではなく、総所得の5%を超える部分)について確定申告時に手続きをすれば、所得税が控除され一部還付金が発生する制度を指します。
年末調整をしている方でも「医療費控除」を受けるためには確定申告をする必要があります。
対象となるのは前年の1月1日から12月31までの、税金を納める本人自身または配偶者、その他の親族のうち「生計を一にする人(別居も可)」のために支払った医療費です。最も所得の高い方が家族分をまとめて申告すると、控除額が大きくなります。
例:
医療費控除額60万円=手術・入院費用100万円-保険金30万円-10万円
医療費控除額8万円=出産・入院費用60万円-出産一時金42万円-10万円
(国税庁サイトより)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm
医療費控除申請時は「協会けんぽ情報提供サービス」がおすすめ
協会けんぽの情報提供サービスを利用することで、本人及び家族(被扶養者)の医療費を照会することができ、医療費控除の申告書作成に活用できます。
ネット上でユーザー登録申請を行い、保険証に記載されている記号・番号や氏名、住所等の基本情報を入力します。
登録申請時に指定した住所へユーザーIDとパスワードが協会けんぽより郵送されます。
そちらを使ってログインすると、医療費情報の照会が可能になります。
登録申請からIDとパスワードがお手元に届くまでは約1週間となります。
詳しくは下記リンクをご参照ください。
全国健康保険協会 情報提供サービス
https://service502.kyoukaikenpo.or.jp/TWKA02_prd/TWKA02/T7F003200.seam
ユーザーID取得の翌月、21日頃から最大2年分の医療費情報が照会でき、診療年月や医療機関名、医療費総額、協会けんぽからの支払額等の情報が確認できます。
サービスを利用するメリット
「協会けんぽ情報提供サービス」を利用すると、下記のメリットが期待できます。
- 毎年1月下旬に協会けんぽより1月~9月までの医療費のお知らせが届きますが、1年分の記載ではありません。
残りの10月~12月分までは領収書を確認しながら申告書に追加していたものが、ネット上ですぐに確認できるようになります。 - データとして照会でき、記載項目も見やすいため申告書への転記が簡単になります。
- 確定申告の他に健康保険に関する届出(高額療養費支給申請等)にも活用できます。
確定申告だけじゃない!
医療費情報の照会のみならず、生活習慣病予防健診の対象者データの取得も可能です。(事業主様・人事部様向けサービス)
該当者一覧には保険証の情報や該当者氏名・生年月日なども記載されているため、健診機関への申込のみならず、従業員様の予約・受診状況管理にも利用できます。
まとめ
現在、マイナンバーを活用したシステムが急速に普及しています。
多くのサービスを利用するためにも、従業員様に向けてマイナンバーカード取得と各種サービス連携を進めていくことをお勧めします。
今回ご紹介したサービスは、協会けんぽ管掌の保険証をお持ちの従業員様のみが利用できるものとなりますが、是非一度ご確認してみてはいかがでしょうか。