Q&A

始末書未提出の社員を減給処分にできるか

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私たちの会社では、始末書を提出しない従業員がいます。この場合、未提出に対して減給処分はできるのでしょうか?


始末書の未提出に対して減給処分を行うことは、法的には違法であり、無効とされる可能性が高いです。

一般的に、始末書の提出は「譴責」という懲戒処分の一形態であり、何らかの懲戒事案があった場合に行われる処分のことをいいます。

始末書の提出を命じたにもかかわらず、従業員がそれに従わなかった場合、次の2つの観点から違法な懲戒処分と判断される可能性が高いといえます。

1,始末書の提出は、謝意を示すものであり、謝罪の強要をさせることは従業員の思想良心の自由を侵す可能性がある。

2,始末書の提出命令は、一つの懲戒事案に対して命じるものです。始末書の提出命令違反によって再度の懲戒処分を課すことを認めると、同じ懲戒事案に対して複数回の懲戒処分が行われることになります。

実際の裁判例を見ると、始末書の提出命令違反に対して再度の懲戒処分を課す地裁判決も存在しますが、このような判断をしない裁判例の方が多いです。

したがって、未提出の従業員に対して減給処分を行うことは慎重に考える必要があります。もし疑問点や具体的な事案があれば、ご相談ください。

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