【2022年10月】令和4年度、最低賃金の基礎知識

その他

令和4年10月以降の最低賃金

令和4年8月4日、中央最低賃金審議会は今年度の最低賃金の改定額を全国平均で3.3%引き上げるという目安が提示されました。

これを受け8月23日に各都道府県の地方最低賃金審議会から地域別最低賃金の答申が出揃いました。(これが令和4年10月以降の最低賃金額となります)
内容を見てみると、最高額は東京の1,072円、以下神奈川の1,071円、大阪の1,023円と続きます。

逆に最低額は青森、秋田、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄の853円です。

最高額と最低額の差は219円で前年と比べ2円縮小しています。

引上額を見て見ますと、引上額は30円~33円で岩手、鳥取、島根、高知、沖縄の33円が最高引上額になります。

最低賃金の地域別の適用

複数の事業所がある場合、最低賃金はそれぞれの事業所の所在地の都道府県の最低賃金が適用され、労働者個人の観点から見ると、例え複数の都道県で業務を行っていても、その労働者の所属する事業所の所在地の都道府県の最低賃金が適用されます。

最低賃金の基礎知識

最低賃金の対象となる賃金は毎月支払われる基本的な賃金です。
具体的には、実際に支払われる賃金から下記の賃金を除外したものが最低賃金の対象となります。

  • 臨時に支払われる賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
  • 所定労働日以外の日の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
  • 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
  • 精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

社会保険の標準報酬月額を算出する時の賃金の考え方と違う点に注意が必要です。

特に精皆勤手当、通勤手当と家族手当が最低賃金を計算する時に算入しないことは要注意です。

特定最低賃金について

最低賃金には通常の地域別最低賃金と特定最低賃金の2種類あります。

特定最低賃金とは、関係労使の申出に基づき最低賃金審査会の調査審議を経て、同審議会が地域別最低賃金よりも金額水準の高い最低賃金を定める事が必要と認めた産業について設定されています。

産業または職業ごとにその産業の基幹的労働者(当該産業に特有または主要な業務に従事する労働者)に適用されます。

各県ごとにその産業は異なりますが、鉄鋼業や自動車小売業などで特定最低賃金が設定されているケースが多いようです。

https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/dl/minimum-19.pdf

違反した場合の罰則

最低賃金法には罰則規定があり、違反すると50万円以下の罰金が科せられます。

最低賃金法の行政管轄は労働基準監督署ですので、まず労働基準監督署による調査や臨検、その後違反が確定すれば是正勧告が行われます。

違反が悪質であれば検察に書類送検され刑事罰に課せられる可能性もあります。

人事担当者は日頃から事業所がある都道府県の最低賃金に注意しておく必要があります。

また、発効日も全国一律ではなく各都道府県によって違いますので、その点でも注意が必要です。

今年度特に注意が必要な点

最低賃金の改定に伴い、短時間労働者の時給を昇給させた場合、2022年10月に改正される社会保険被保険者の適用拡大の要件の一つ、「賃金の月額が88,000円以上」を満たす可能性があります。

例えば神奈川県の例では、最低賃金1,071円で週20時間働いた場合の1か月(4.3週)の賃金の月額は92,106円となり88,000円を超えます。社会保険適用拡大の他の要件を満たした場合は社会保険に加入しなければなりません。

労働者の保険関係や給与に直接影響がありますので、十分な確認が必要になります。

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