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新型コロナに関連して企業から支給される「見舞金」は報酬の対象外になる可能性があります

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新型コロナウイルスの動向が未だ不安定な昨今、従業員のケアに苦慮されている会社も多いかと思われます。

助成金等も選択肢の1つではありますが、会社から従業員へ直接サポートする手段の1つとして「見舞金」というものがあります。

今回は厚生労働省から令和2年6月16日に出された年管管発0616第2号「新型コロナウイルス感染症の影響に関連して支給される見舞金等の取扱いについて」という通達を改めてご紹介いたします。

報酬の対象外となる可能性

「報酬」や「賞与」(以下「報酬等」)と呼ばれるものについては、健康保険法・厚生年金保険法において「労働者が、労働の対償として受けるすべてのもの」と規定されており、原則的には事業主から従業員に支給されるすべてがその対象とされております。

ただし例外として恩恵的なもの(例:災害見舞金、結婚祝い金)、実費弁償的なもの(例:出張旅費)は「報酬等」の対象外とされる場合があります。

今回の通達では新型コロナウイルス感染症についての見舞金の取扱いが提示されております。

<通達の概要>
新型コロナウイルス感染症に関連して従業員が事業主から支給を受ける見舞金等のうち、以下のいずれにも該当するものについては、「恩恵的な給付」として「報酬等」に該当しないものとして取り扱う。労働保険においても同様の取扱いとする。

なお、この通達は国税庁による、上記見舞金についての所得税の取扱いに関する通達を踏まえ提示されております。

  1. 心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの
  2. 支給額が社会通念上相当である
  3. 役務の対価たる性質を有していない

上記の3つの条件について詳細を記載いたします。

1,心身又は資産に加えられた損害につき支払を受けるもの

(1)従業員、又はその親族が新型コロナウイルス感染症に感染したことに対して支払われるもの
(2)緊急事態宣言下において、感染リスクが高い業務に従事したり、心身に相当の負担が掛かっていたりしていたため支払われるもの
(3)従業員、又はその親族が新型コロナウイルス感染症に感染するなどによりその資産を廃棄せざるを得なかった場合に支払われるもの

2,支給額が社会通念上相当である

(1)支給額が従業員ごとの感染リスクの程度や感染事実に応じた金額である
(2)支給額が慶弔規定等や過去の取扱いに照らして相当と認められる

3,役務の対価たる性質を有していない

(1)本来の給与から減額した額の補填として支払われるものではない
(2)感染リスクの程度等に関わらず一律で支給されるものではない
(3)感染リスクが同程度と認められる従業員のうち、特定の者だけに支給するものではない
(4)支給額が通常給与等の額に応じて決定されるものではない

まとめ

3つの条件を達成しているかどうかは上記を目安に総合的に判断されるため、見舞金の支給を検討される場合は事前に管轄の年金事務所等へご確認ください。

特に支給額の大きさ・支給額の違い、支給対象者の判定については基準を明確化するなどの対応が必要となる可能性があります。

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