改正の概要
年金制度改正により、2022年4月から年金の受給開始時期の選択肢が60歳から75歳に拡大されました。これにともない、70 歳以降に繰下げ待機していた人が65歳時点からの本来受給を選択した場合、請求の5年前に繰下げ申出があったものとみなして年金を支給することとする仕組みが導入されます。(5年前みなし繰下げ)
例えば、73歳で通常の繰下げ受給を選択した場合、8年×12か月×0.7%=67.2%増額した年金を生涯受け取ることができます。これに対して、「5年前みなし繰下げ」が適用された場合は、73歳の5年前、つまり68歳時点で繰下げ受給の申出をしたとみなされるので、3年×12か月×0.7%=25.2%増額した年金5年分が一括で支給され、その後は25.2%増額された年金を生涯受け取ることができます。
「5年前みなし繰下げ」が適用されるのは、2023年4月1日以降に71歳になる人です。それ以前に71歳になった人は、「5年前みなし繰下げ」が適用されず、5年以上前の年金は時効によって消滅します。「5年前みなし繰下げ」が適用されない人は、繰下げ支給を検討した方がよい可能性があります。
施行日
2023年4月1日