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賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和4年)が公表されました

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27日、厚生労働省から賃金不払いが疑われる事業場に対する労基署の監督指導の結果が公表されました。

対象期間は令和4年1月1日~令和4年12月31日で、それ以前は100万円以上の賃金不払い事案のみを集計していましたが、今回はそれ以下の事案も含めて集計されています。

今回の公表によれば、賃金不払い件数は20,531件、対象労働者は179,643人、金額は121億2316万円で、これには倒産や事業主の行方不明による賃金不払いも含まれています。

これらの数字を見ると、賃金不払いが深刻な問題であることを再認識させられます。

賃金不払いは労基法違反

賃金不払いは法律により明確に禁止されています。

労働基準法24条では、「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定められており、違反をした場合、労働基準法120条により「30万円以下の罰金」が科されることになります。

さらに、賃金不払いは労基法違反だけでなく、労基署による監督指導の対象になるほか、従業員との間にトラブルを引き起こす可能性もあります。

事業者による賃金の支払いの義務は、天災などによって支払えない事態になっても免除されないという点に注意が必要です。

賃金不払いの対象となる賃金とは

会社に支払い義務のある賃金とは何でしょうか。

これには、定期的な賃金の他、割増賃金や退職金、一時金(ボーナスなど)、休業手当、年次有給休暇分の賃金などが広く含まれます。

これらの賃金について不払いがあると、上記の通り、会社は労基法違反に問われるほか、未払い賃金に対して年14.6%という高額な利息が付く可能性があります。(民法419条1項、賃金の支払の確保等に関する法律6条1項)

労働基準法の改正により、不払い分の賃金の消滅時効は3年から5年に延長されています。

まとめ

今回の厚生労働省の公表により、賃金不払いの現状が明らかになりました。

このデータを参考に、自社の賃金支払い体制について、不適切な状況がないかチェックし、もし改善点があれば、早めに見直しをすることが重要です。

賃金不払いは、重大な違法行為であり、企業の社会的信用にも大きく影響するため、事業者は賃金の不払いや不足が生じないよう注意しましょう。

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