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2022年1月改正、傷病手当金の支給期間通算化で何が変わった?

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「健康保険法」の改正により、2022年1月1日から、傷病手当金の支給期間が通算化されるようになりました。通算化によって、人事・労務担当者は管理方法を変更する必要があるかもしれません。そこで今回は、傷病手当金の支給期間通算化によって、支給期間がどのように変わるのか、わかりやすく解説をしたいと思います。

そもそも傷病手当金とはどんな制度?

傷病手当金とは、被保険者が業務外の病気やケガ等により、仕事に就くことができなくなったとき、被保険者やその家族の生活を保障するために支給される給付金のことをいいます。仕事に就くことができないかどうかについては、医師等の意見を基に、被保険者の仕事内容などを考慮して判断されます。傷病手当金は、仕事ができなくなった日から起算して、連続する3日間の待期期間(土日祝日、有給含む)終了後、 4日目から支給開始されます。

改正前の支給期間

改正前(2021年12月31日以前)の支給期間は、同じ病気やケガについて、支給開始日から起算して1年6か月でした。この間、もし仕事に復帰した期間があったとしても、対象期間に含まれます。そのため、復職した期間が長ければ長いほど、傷病手当金を受給できる期間が短くなってしまうというケースがありました。

引用元(全国健康保険協会HP:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/)

改正後、傷病手当金の支給期間通算化で何が変わる?

改正後(2022年1月1日以降)の支給期間は、同じ病気やケガについて、支給開始日から通算して1年6か月となります。そのため、復職期間を除いて、最大で1年6か月分受給することができるようになりました。

引用元(全国健康保険協会HP:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3040/r139/)

2022年12月31日時点で支給期間が残っていた受給者はどうなる?

今回の通算化は、2021年12月31日時点で、支給開始日から起算して1年6ヵ月経過していない受給者も対象で す。2021年12月31日時点でまだ支給期間が残っている受給者は、その残っている支給日数が通算化されます。

例えば極端なケースですが、2020年7月2日に受給を開始し、 2020年7月2日~31日(30日間)傷病手当金の受給を受けたとします。

この場合ですと、2021年12月31日時点で、受給開始時(2020年7月2日)からぎりぎり1年6 ヵ月を経過していない為、今回の通算化対象者となりま す。支給日数は2020年7月2日から2022年1月1日まで の549日間(1年6ヵ月)となり、既に30日分が支給されて いる為、549-30=519日が残りの支給日数です。もし、同じ病気やケガが原因で、再度仕事に就くことができなくなった場合は、519日の範囲で傷病手当金が支給されます。

改正によって、「長期にわたり治療を行いながら働く」と いった柔軟な働き方が可能になるため、病気や怪我により 退職を余儀なくされるケースが減るかもしれません。ただ、人事労務担当者としては、これまでは決められた期間だけ管理をしておけばよかったのですが、今後は通算化も考慮して支給期間を管理する必要があるため、注意が必要です。

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