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雇用保険の適用拡大でパート従業員も対象に、厚生労働省の最新動向

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2023年12月、厚生労働省は、厚生労働省の労働政策審議会は雇用保険の適用拡大に関する資料を公開しました。資料によると2028年(令和10年)を目途に、週所定労働時間が20時間未満のパート従業員も適用範囲に含まれるとしています。

https://www.mhlw.go.jp/content/11601000/001177125.pdf

現行の雇用保険制度

現在の雇用保険の主な適用要件は次の2つです。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること

現在、厚労省では上記要件のうち、20時間未満のパート従業員も雇用保険の適用範囲に入れる議論を進めています。

適用拡大の背景

日本の労働市場は、パートタイムやアルバイトなど、様々な働き方をする方がいますが、これまでの雇用保険制度では、これらの働き方をしている労働者はしばしば保護の外に置かれていました。

今回の厚労省による提案は、労働環境の多様化に対応し、より多くの労働者に安全網(セーフティネット)を提供することを目指しています。

雇用保険の適用拡大による影響

提案によると、週所定労働時間が10時間以上の労働者に適用を拡大することで、最大で約500万人の労働者が、15 時間以上まで適用拡大した場合は最大で約 300 万人が新規適用となると見込まれるとしています。

新たに被保険者となった労働者については、失業給付だけでなく、育児休業給付や教育訓練給付など、現行の被保険者と同様の給付対象となる予定です。

令和10年までに段階的な実施を計画

厚労省の提案に対しては、「適用拡大により就業時間を減らす労働者が増え、就業時間調整の新たな壁となることは避けるべきではないか」「適用拡大により、財政に問題がないのかもしっかり検証する必要があるのではないか」などの意見があがりました。

そこで厚労省は、適用拡大に対して慎重なアプローチが必要とし、2028年度までに週所定労働時間10時間以上の労働者に適用範囲を段階的に拡大する計画を立てています。

まとめ

この提案は、日本の雇用保険制度におけるパート従業員に大きな影響を与えるものです。今後の議論をしっかりと把握し、担当者としては、早めに準備・対応しておく必要があるでしょう。

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