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雇用保険の基本手当日額、支払限度額などが変更されました

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雇用保険の基本手当日額や雇用継続給付等の給付金の上限額は、毎年8月1日に変更されることになっています。

基本手当は雇用保険に加入していた離職者が次に就職をする際、その就職活動に専念できるよう、活動期間中の生活費用の補填として国から受けられる給付金で、基本手当日額は、その1日あたりの支給額を言います。

なお、その他では就業促進手当の上限額引上げ、高年齢雇用継続給付、育児休業給付及び介護休業給付における各給付において上限額、下限額などの変更が行われております。

今回は、主な変更点について解説をいたします。

1,基本手当日額の最高額の引上げ

基本手当日額は年齢層ごとに上限額が定められておりますが、以下の通り、その上限額が引上げとなっております。

  • 29歳以下        6,760円 ⇒ 6,835円 (+75円の引上げ)
  • 30歳以上44歳以下   7,510円 ⇒ 7,595円 (+85円の引上げ)
  • 45歳以上59歳以下    8,265円 ⇒ 8,355円 (+90円の引上げ)
  • 60歳以上64歳以下    7,096円 ⇒ 7,177円 (+81円の引上げ)

2,基本手当日額の最低額の引上げ

基本手当日額の最低額    2,061円 ⇒ 2,125円 (+64円の引上げ)

3,就業促進手当の上限額の引上げ

(1)就業促進手当(就業手当の1日当たりの支給上限額)
① 59歳以下       1,836円 ⇒ 1,857円 (+21円の引上げ)
② 60歳以上64歳     1,485円  ⇒  1,501円 (+16円の引上げ)

(2)就業促進手当(再就職手当、就業促進定着手当及び常用就職支度手当の算定における基本手当日額の上限額)
① 59歳以下       6,120円 ⇒ 6,190円 (+70円の引上げ)
② 60歳以上64歳     4,950円  ⇒  5,004円 (+54円の引上げ)

4,高年齢雇用継続給付、介護休業給付及び育児休業給付における給付金の支給限度額の変更

(1)高年齢雇用継続給付

① 60歳到達時の賃金月額
上限額   473,100円 ⇒ 478,500円 ※ 
下限額    77,310円  ⇒  79,710円  
※ 60歳以降実際に支払われた賃金が、賃金月額の75%(賃金低下率)未満に低下していることが支給の要件の一つとなっているため、今回の引上げにより、今まで賃金低下率が75%以上あり、不支給となっていた方の中でも、この上限の引上げにより75%未満になることで、支給対象となる方が増えることが期待されます。

② 支給限度額   360,584円 ⇒ 364,595円 ※
※ 支給対象月に支払われた賃金額と高年齢雇用継続給付の給付金の合計額が支給上限額を超えた場合は、超えた分の給付金が減額されます。なお、この支給限度額の引上げにより、上限枠が広がったため、今まで不支給であった方が支給対象となることが期待されます。

③ 最低限度額   2,061円 ⇒ 2,125円 ※
高年齢雇用継続給付の給付金が最低限度額を超えない場合は、支給されません。これにより、賃金低下率が75%未満であっても支給額の計算において、最低限度額である2,125円以下の場合は、当該給付金制度の効果が見込めないとのことで、不支給となります。①60歳到達時の賃金月額、②支給限度額の上限額の引上げとは逆に、③最低限度額の引上げは今まで最低限度額近くの給付を受けていた方の場合、不支給となる可能性が出てきます。

(2)介護休業給付

①  休業開始時賃金月額
上限額   495,900円 ⇒ 501,300円
下限額    77,310円 ⇒  79,710円

② 支給上限額   332,253円 ⇒ 335,871円
介護休業給付金は給付額計算の基礎となる、休業開始時賃金月額に給付率(67%)を乗じて支給額が決まりますが、今回、休業開始時賃金月額の上限額が引上げられたことにより、支給上限額も引上げられております。これにより、現在受給中の方で支給上限額にある方は、給付の額が増額することとなります。

(3)育児休業給付

①  休業開始時賃金月額
上限額   450,600円 ⇒ 455,700円 ※
下限額    77,310円 ⇒  79,710円

② 支給上限額
支給率67%   301,902円 ⇒ 305,319円
支給率50%   225,300円 ⇒ 227,850円
※育児休業給付金は給付額計算の基礎となる、休業開始時賃金月額に給付率(育児休業の開始から180日目までは67%、181日目からは50%)を乗じて支給額が決まりますが、今回、休業開始時賃金月額の上限額が引上げられたことにより、支給上限額も引上げられております。これにより、現在受給中の方で支給上限額にある方は、給付の額が増額することとなります。

まとめ

ここまで主な変更内容を挙げてきましたが、その他にも賃金日額の上限額及び下限額、高年齢雇用継続給付では最低限度額、60歳到達時等の賃金月額の上限額及び下限額がそれぞれ変更となっています。

詳細につきましては、厚生労働省のホームページよりご確認頂けます。
令和4年8月1日からの基本手当日額等の適用について|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

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